ゆずの村【高知県馬路村】人口1000人で売上30億円の村を行く

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大分県竹田市愛媛県徳島県神山町に続き、馬路村を経由して現在高知市からお届けしています。

今日(2016.3.25)は地方創生の成功事例まとめでも紹介した高知県は馬路村へ視察に行ってきたのでその報告を!

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林業の町からゆずの村【馬路村】への華麗なる転身

高知県馬路村は人口たった1000人の村。しかも森林面積が96%という山間部にも関わらず、ゆずの加工品で30億円以上を売り上げ、年間6万人以上の観光客が訪れるというから驚きです。

もともとは林業のまちであった馬路村。しかし林業市場の価格下落により、新たな産業を作る必要性が生じ、地元で自然に栽培されていた柚子に、馬路村JAが注目したのが昭和38年。

しばらくは柚子の原料販売で持ち直し産直の依頼が出てくる中で可能性を感じるも、その後、他県、県内問わずゆずの競合が続々と競合として現れ、再び価格下落。

このままでは「生き残れない」と、そこから柚子の加工品生産に乗り出します。

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原料はゆずとはちみつだけ。保存料、着色料なしの清涼飲料水「ごっくん」やポン酢「ゆずの村」など商品を開発。

売れる仕掛けも必要と、テレビCMを打ち、デザインを何度もアップデートし、試行錯誤を重ねながら今の規模にまで発展させたと言います。

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高知県馬路村のデザイン力

商品やパッケージ/タイポグラフィのデザインは馬路村の素朴な空気感にぴったりのデザインを採用。専属のデザイナーさんと二人三脚で時間をかけて馬路村のイメージを構築してきたと言います。

また、長年の叡智の積み重ねは今では他の追随を許さない、質・量ともに圧倒的な生産体制を確立し、利益は従業員へも配分され、快適な働く場が作られています。

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馬路村農協の受付スペース。館内にはJPOPのオルゴールが流れ、癒し空間を演出。働く場のデザイン設計にもこの力の入りよう。

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ゆずの森加工場の全体イメージ。受注センター、製造ライン、配送センター公開されていてそれぞれ見学可能。

馬路村農協の快適なワークスペース

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ガラス張りでオープンにされており誰でも見学可能。オープンな空間に生産体制への自信が見て取れます。

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馬路村農協ゆずの森は、オフィスが自然と一体化していて、建物も木造で心地いい空間。理想的なワークスペースと感じました。

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ゆずの全てを使った循環型農業

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「ゆずの全てを大事に使っています。」今ではゆずの搾りかすも堆肥利用し、循環型農業を確立している。

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ゆずのタネで作る化粧水も人気商品の一つ。

実だけではなく種、果皮、搾りカスまで、一切捨てることなく無駄なく全てを商品化しています。

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その甲斐あって今ではこれだけの数のゆず製品が生産/販売されています。

30億のゆずの村もはじまりは一人のリーダーから

1000人の村というと日本の市町村の中でもとびきり小さい。もっと大きな人的リソースを持った市町村はごまんとあるでしょう。

地方創生が叫ばれ、消滅可能性都市が多数あげられる今、馬路村の成功事例は地方の未来に対するひとつの希望でしょう。1000人の村で、結束すれば30億円規模の事業ができるのですから。

理念、方針を引っ張るリーダーの出現(ゆずをやろうという一人から始まった)、リーダーの粘り強い活動(継続)、そしてその理念を理解し応援する人の台頭でチームとなった。

一人ひとりがリーダーとなること

先日、宮崎大学の地域資源創生学部の先生が言っていた。

「先生から見て、今の宮崎に足りないものはなんですか?」との問いに。

「複合的な理由がありますが…宮崎にはかつて岩切章太郎さん(宮崎交通創業者)というリーダーがいた。今はそれを誰が担っているのか?というのが見えてこない点もあると思います。」

先日の神山町のプロジェクト報告会でも、主体が誰か?責任の所在を明確にするという点を大事にしていた。

今後の地方創生に必要なことのひとつがリーダーの出現だろう。正確には、ひとりひとりがリーダーという自覚を持ってプロジェクトに参画するという表現が適切か?

ほんもの体験フォーラムで、リーダーたちの話を聞けることを楽しみに。視察は続く…

 

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ABOUTこの記事をかいた人

Shinta Hosokawa

岩手県出身の86世代。2015年10月、東京から小林市へ地域おこし協力隊として移住。情報発信からの現地滞在、新たな人の流れを作るべく。メディアを育てつつ、ブックカフェ兼ゲストハウスというリアルな箱を準備中。