移住45日目。
宮崎に来て採りたて野菜や無農薬のお米、宮崎牛、猪肉、など日々美味しく豊かな食をいただいています。
その中で鶏の美味しさはここならではだなーと感じています。
先日、自宅で育てている方がさばいてくれた鶏を、お刺身と特製たれにつけた鶏肉の炭火焼きをいただきました。
鳥刺しは嫌いじゃないけど、たくさんは食べられないし薬味をつけないとあまり美味しくないよなぁと思っていました。
でも、このときの鳥刺しはどの部位も臭みがないしコリコリ歯ごたえがあって、醤油をちょっとつけただけで何枚も食べられました!
鳥刺しってこんなに美味しかったんだ…!と感激。
もちろん炭火で焼いた焼肉も絶品でした。
※食べたときはまだ知りませんでしたが、宴会が始まる3時間前に一羽をつぶしてさばいて持ってきてくれた鶏肉でした。
新鮮だと思ったけど、こんなにも新鮮だとは・・・!
目次
この世で一番怖い鳥に急接近してきました
そして本日、こないだいただいた鶏を飼っている方のお宅にお邪魔して、鶏小屋を見せてもらいました。
私、この世界で一番怖いのが鳥(鳩と鶏)なのです…
食べるのは好きなのに、生きている鳥が怖い。
特に都会の鳩と鶏がツートップで恐怖。
そんな私が久しぶりに鶏に急接近してきました。
こちらのお宅では仕事としてではなく全くの趣味として育てています。
趣味、と言っても30年間続けていて、今も30羽の鶏がいます。
しかも、完全に趣味の域を超えているのでは?と思うほど、鶏小屋の中には大きくて立派な鶏たちが!!
「中に入っていいよ」
と言っていただきましたが、今日は腰が引けて空いた扉にカメラを入れてへっぴり腰で撮影するのが精いっぱいでした。
写真ではあまり伝わらないかもしれませんが、この鶏たち、めちゃ大きいんです!
鶏ってこんなに大きかったっけ?!
ぷりっとして堂々としていて大きいんです。
食事は飼料のほかに「豆腐」を与えているそうで、大きいけど品がある感じがしました。
宮崎が誇るブランド鶏「地鶏頭(じどっこ)」も数羽いて、いろいろな種を掛け合わせて育てているそうです。
写真には写っていないですが、3年物のさらに大きな鶏もいました。
のしりと歩いていて存在感ありすぎました。
スーパーに出ている鶏は生後50日で出荷されたもの
ここの鶏は生後1年経っている「一年物」と呼ばれる鶏が主です。
「一年物」と聞いて、最初は「まだ一年なのにこの大きさなの?!」と驚きましたが、私は鶏の世界を何も知らない無知な人でした。
通常ブロイラーから売られてスーパーに並ぶ鶏肉は、生後50日で出荷されたものだそうです。
50日?
そんなに短いの?
某大手フライドチキン店はさらに短く45日出荷だそうです(無理やり成長促進する薬を大量に投与して薬漬けになっている・・・)。
早く出荷された鶏は柔らかく味がない。
だからたくさんのスパイスで味付けしないと食べられない。
1年物の鶏は身が引き締まっていて歯ごたえもあるし、鶏肉そのものに味がある。
だからお刺身でも美味しく、何もつけなくても味がしっかりあったんだなぁ。
命をいただくこと、命を育み届けてくれる人の有難さを感じる。
私は鶏を絞めることができるのだろうか?
鶏肉の飼育環境の劣悪さや、薬漬けで売られている、というような話は聞いたことがありましたが、
今回鶏を飼っているところを見て、1年かけて毎日たくさんの自然な餌を与えて、大量の鶏を育てるなんてとても大変だろうな、それだと大量消費には間に合わないしファストフード店の値段だと割に合わないよな、とリアルに感じました。
昔は家で鶏を飼っている家庭が多かったそうですが、最近だと鳥インフルエンザなども問題もあって、この周辺でも家に鶏がいる家庭はめっきり減ったそうです。
鶏肉はごちそうで、お盆やお正月など親戚が集まるときに一羽つぶして様々な料理にしてみんなで食べる食文化が昔はありました。
丹精込めて、丁寧にじっくりと育てられた鶏を新鮮なうちに頂けるのは、本当に貴重なことだと改めて感じながら、
鶏を絞めてさばくまでの工程を聞き「見てみる?」と言ってもらいましたが、今日はまだ命をいただく瞬間に立ち会う勇気がでませんでした。
来週改めて取材をさせていただくのですが、私は鶏を絞める現場を直視できるのだろうか?
いつか鶏を自分の手で絞めていただくことができる日がくるのだろうか?
命をいただく有難さを実感すると同時に、命あるものを丁寧に育て食卓に上るまでの過程に携わってくれている方々は本当に凄いと感じました。
北海道函館出身の86世代。自然の中で食・住・ナリワイを創る暮らし目指して、2015年9月26日から夫婦で東京から宮崎県小林市野尻町へ移住。広告営業、地域情報誌の記者編集、広報などを経て、現在は地域おこし協力隊&聞き書きライターとして活動中。
広報PRの仕事や聞き書き本の制作・ハーブを中心とした畑づくりをしながら、移動式古書カフェ・ゲストハウスオープンへ向けて準備中です。