宮崎県小林市の地域おこし協力隊として赴任して一か月が経過しました。これを機に、今地域おこし協力隊を検討している方向けに、伝えておきたいことをまとめてみます。
地域おこし協力隊の受け入れ自治体には当たりはずれがある
これは自分が応募する際にも情報収集していたので、自分たちは免れたと思っているのですが、実際にはずれの自治体に当たってしまった方の声はWEB上でも確認することができます。
イケハヤさんの地域おこし協力隊記事も参考になりますが、実際に協力隊として赴任した方の中には、自治体に対して次のようなコメントを残している方もいます。
僕は今さら長崎市役所にも、地域おこし協力隊の担当部署であった地域振興課にも特に恨みを持っているワケでは無いが、人を呼ぶなら相応の環境を整えてからにして欲しい。 それもやらずに「予算はとってるから」という理由で「自分たちがおこす気もない」地域に協力隊を放り混まないで欲しい。
— 小島健一 (@kojimakenichi) 2014, 9月 2
小島さんのような不満が出る自治体というのは他にもたくさんあるはずですよね。こうしてみなさんが積極的にツイートしたり外部に発信するかと言えば、そうではないわけで、こうして明るみに出ているのは氷山の一角に過ぎません。
ではどうしたら、いいのか。まず個人的に思うのは、
前例、受け入れ事例のある、先輩隊員のいる地域へ応募する
ことかと思います。少なからず先輩たちが先に入っていることで、自治体もゼロから導入するよりは慣れているでしょうし、協力隊員をいかに活用するのかということに関しても、経験値がゼロベースよりもはあるはずです。
実際、私が入った宮崎県小林市は先輩が6人いる地域でしたので、先輩隊員から様々なアドバイスを聞くことができています。参考になるのは先輩の活動報告もそうですが、こうしたことには気を付けろ!といった失敗防止策のようなものだったりします。
個人的に最もためになったと思うのは、「地域に迎合し過ぎてはいけない」という話で、地域に住むとなるといろんな関係者からあれやこれやと言われるわけで。もちろんその人のためを思って言ってくれるものが殆どとはいえ、みな様々な立場から色々と言ってくるので全部聞いてしまうと混乱すると。あくまで軸は自分が移住した理由や、移住したうえでどんな生活をしていきたいかという、そもそもの本人の意思を大切にした意思決定でないと、ぶれまくってしまうという点です。
ついつい気に入られたい、好かれたいという気持ちが先行してしまいがちですからね。それ以上に、しっかりと自分を持って活動することが大事かと思いますし、実際に先輩たちは最初様々な話を聞いたうえでこれはアカン!という経験を踏まえて、そう言っているわけですから説得力もあります。
先輩がいると、こうしたありがちな地域おこし協力隊の失敗あるあるというか、トラップにかかりにくくなるというメリットがありますね。
移住者の集まるコミュニティがある地域を選ぶ
というのも大事なことだと思います。前項でも述べましたが、移住者の先輩と話す場があると、いい意味で地域にのまれずに済みます。地元の人たちとだけの関わりになってしまうと、自分を見失いがちです。地域にとって移住者というのはバックグラウンドが違えば、価値観の隔たりも大きかったりするので、地元の人とだけの関わりではやっぱり物足りない部分というのも出てくるもんです。
そうした中で移住者の集うコミュニティがあると、自分の中でバランスをとることができます。
小林市には、そうした移住者の集まるコミュニティースペースがあって、定期的に人が集まる場になっているので、そこで刺激的な時間を過ごすこともできるのも、ありがたい点ですね。
地方には刺激的な人がいないというウソ。自分の感性で選んだ地には、近い感性の面白い人がいる。
島根のように地域おこし協力隊の受け入れをガンガンしている地域というのは、ゼロベースで受け入れる自治体よりも失敗の確率は下がるんじゃないでしょうか。僕らの場合は、島根はちょっと受け入れが多過ぎて、地域おこし協力隊としてはパイオニアになれる余地が少ないんじゃないかというのもあって、2期目の受けれ入れの小林にしたわけですが、そのへんのバランスは人それぞれ求めるものが異なると思うので、上記も参考に自分にぴったりの自治体を選択してみてください。
田舎暮らしの裏話をマガジンで公開中
日刊繋ぎ屋マガジン
繋ぎ屋セレクション
繋ぎ屋のオススメ本/グッズ一覧
岩手県出身の86世代。2015年10月、東京から小林市へ地域おこし協力隊として移住。情報発信からの現地滞在、新たな人の流れを作るべく。メディアを育てつつ、ブックカフェ兼ゲストハウスというリアルな箱を準備中。