姉妹/友好都市とは?小林市と能登町からみるメリットの事例

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小林市と姉妹都市を結ぶ石川県能登町との中学生交流事業が行われるということで、取材に行ってきました!

能登町視察の補助金が出る制度や、ふるさと納税のコラボ企画など、姉妹都市としていろいろな取り組みをしている小林市と能登町。

今回は、そもそも姉妹都市とは何なのか?国内、海外いろいろあるけどどんな理由で結ばれるのか?また、小林市と能登町を例に交流内容やメリットをまとめてみようと思います。

カヤック

すきむらんどでのカヤック体験

 

姉妹|友好都市とは?

国際的な統一基準や、国内でも法律で定められているわけではありませんが、自治体の国際提携の情報提供や支援を行う、(財)自治体国際化協会では、

 

  • 両首長による提携書があること
  • 交流分野が特定のものに限られていないこと
  • 交流するにあたって、何らかの予算措置が必要になるものと考えられることから、議会の承認を得ていること

上記の全てに該当するとき「姉妹都市」として取り扱うとされています。

(「友好都市」もほぼほぼ同じ意味合いで使われていますが、都市によっては「姉妹都市」と「友好都市」の意味合いを分けて使っているところもあります)

 

現在のような姉妹都市が盛んに結ばれるようになったのは第二次世界大戦以降ですが、最古の姉妹都市は中世時代のパーダーボトン(ドイツ)とル・マン(フランス)であるとされています。

こんなに昔からあったとは・・・。確かに国や都市を超えて市民同士が結びつきを感じることは、ボーダーレスな世界に近づく一歩となるのかなと思います。

 

 

なぜ姉妹都市と呼ぶの?兄弟都市・双子都市・夫婦都市・親子都市もある!

 

「姉妹都市」という呼び方は、どのように生まれたのかを調べてみると…

1956年にアイゼンハワー米大統領が提唱した「市民と市民のプログラム」で、

第二次世界大戦で荒廃した欧州を元気づけるため、国境を越えた市民同士の交流を盛んにして相互理解を進めようと呼びかけたときに用いた

「sister cities(姉妹都市提携)」からきているとされています。(参考:NIKKEI STYLE

 

日本はアメリカの流れを受けて始まっているので「姉妹都市」が一般的に使われますが、イギリス英語では「twin city」と呼ぶなど、欧米では様々な表現が使われています。

 

日本でも、長崎県島原市と大分県豊後高田市や、鹿児島市と山形県鶴岡市、福島県いわき市と宮崎県延岡市などは、「兄弟都市」を結んでいるのです!

また、滋賀県近江八幡市と静岡県富士宮市は、「夫婦都市(めおととし)」

福島県いわき市と秋田県由利本荘市は「親子都市」

北海道函館市と青森市は「ツインシティ(双子都市)」

 

など、あえて「姉妹都市」ではなく、独自の繋がりを表すためユニークな名称をつけているところもあるのです!

 

近江八幡市と富士宮市は、

「神様が土を掘り、その土を運んでつくりあげたのが富士山、掘った後が琵琶湖」という昔話をもとに、日本一高い山「富士山」、日本一大きな湖「琵琶湖」、この二つの日本一をもつ両市が夫婦都市の提携を結びました(出典:富士宮市HP

出典:photo AC

出典:photo AC

出典:phot AC

出典:photo AC

伝説をもとに夫婦都市として提携しているなんて、この二つの市で結ばれて夫婦になった方もいるかも、と想像が膨らみます!

 

提携先はどのように決まるのか

 

現在姉妹都市を結んでいる数は、1,695件!(2016年6月30日現在:自治体国際化協会調べ)

 

そもそも姉妹都市はどういった理由から結ばれるか?

国土交通省の調べによると、

  • 共通点の発見(自然環境、地理的環境、歴史、産業、文化など)

(例)山形県天童市とイタリアのマロースティカ市「人間将棋と人間チェス」

人間将棋の様子(出典:http://www.kahoku.co.jp/special/spe1149/20141231_01.html)

人間将棋の様子(出典:http://www.kahoku.co.jp/special/spe1149/20141231_01.html)

 

  • 紹介(第三者の紹介やアドバイス、推薦など)

(例)小林市(旧野尻町)と能登町

平成7年に旧野尻町が姉妹都市協定を締結。

お互い姉妹都市を探していて、マッチングをする機関に相談したところ、山と海、名前が似ている、ことなどから意気投合して姉妹都市になったそうです。

山の小林市と海の能登町イメージ

山の小林市と海の能登町イメージ

お見合いみたいなものですね!

 

ほかには「来訪(市長など)」や「市民交流(草の根交流など)」が挙げられています。

愛知県知多市とロシアのチタ州チタ市は「名前が同じ」と非常にわかりやすい姉妹都市も!

 

最多の姉妹都市関係を結ぶ市町村は京都市

姉妹都市は1都市一つではなく、複数の都市と締結しているところも多いです。

国外の都市と姉妹都市関係を結ぶ数が多い、市町村ベスト3を調べてみました!
(参考:自治体国際化協会の資料を元に調査しました。姉妹都市提携先

1位:9都市 京都市

2位:8都市 横浜市、川崎市、大阪市、神戸市、岡山市

3位:7都市 仙台市、千葉市、福岡市、熊本市

 

故郷、函館市は6都市!

人口規模で比べるとこれら大きな都市と接戦とは、なかなか頑張っているなと!

 

ちなみに、国レベルで世界最多の姉妹都市(友好都市)を結ぶのは、中国の2209都市、とのことです!

そして中国との友好都市が最も多い国は日本で249都市。
(参考:http://www.recordchina.co.jp/a131642.html

 

交流内容とメリット

国内、国外、様々な姉妹都市関係が結ばれていますが、締結後どんな交流がされているのでしょうか。

人的交流〜補助金や多彩な制度

今回の小林市と能登町の中学生交流事業もそうですが、

市民が行き来して互いの生活文化を体験し、地元の人と直接交流する取り組みは、どこの都市も力を入れています。

小林市と能登町は、姉妹都市提携を結んだ旧野尻町時代から、中学生の交流事業をメインに人的交流に力をいれてきました。

この事業は、毎年夏休みの期間を利用して、小林市と能登町の中学生が交互に宿泊・体験をしています。

今年は小林市が受け入れ側で、地元の中学生と一緒に、すきむらんどで古民家かるかやに宿泊し、小野湖でカヤック&遊覧船体験、2日目は北きりしま田舎物語に農家民泊

ホームステイ先に宿泊し、地元の人との交流や自然体験・生活体験を通して、文化に触れ、絆を深めています。

今回で22回目を迎える事業で、

「第一回目の派遣員として中学生のときに能登町に行って、お世話になったから恩返しがしたくて」

と、農家民泊で受け入れるという方もいました!

大人になっても続いているご縁って、すごいですね。

すきむらんどでのカヤック体験

すきむらんどでのカヤック体験

 

 

また、団体で交流するだけでなく、個人的に行く場合にも補助金が支給されるなど、積極的な交流を図れるよう様々な制度があります。

小林市では、能登町への視察をする際に3名以上の視察で申請すると、補助金(1人あたり上限3万円)が支給されるとのこと!

商工会や道の駅の関係者など、様々な方が利用しているそうです。

能登町のあばれ祭り(出典:http://www.town.noto.lg.jp/www/event/detail.jsp?common_id=2563)

能登町のあばれ祭り(出典:http://www.town.noto.lg.jp/www/event/detail.jsp?common_id=2563)

 

物産交流〜ふるさと納税でのコラボ

道の駅や祭り等でお互いの物産品を販売PRするなど、特産物の交流も盛んに行われています。

最近だと、ふるさと納税でのコラボも話題です。

小林市と能登町は、全国で初めてふるさと納税の相互連携を取り入れ、

「南九州の山の幸」と「奥能登の海の幸」を堪能できる「姉妹都市セット」が返礼品として登場しています!

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お互いにPRすることで相乗効果になりますね!

 

ビジネス進出の促進にも

新しく企業が進出する際に、姉妹都市関係を結んでいると、国外でも進出しやすくなるなど、ビジネスでの関係作りにも効果的のようです。

 

こんな事例も!

全国初の架空都市との姉妹都市提携

Web連動型音楽配信企画「ひなビタ♪」の舞台となった倉野川市のモデルとなった鳥取県倉吉市が、架空都市である倉野川市と姉妹都市を締結した。

(出典:http://hbol.jp/90164

 

(c)Konami Digital Entertainment/倉吉市プレスリリースより

(c)Konami Digital Entertainment/倉吉市プレスリリースより

アニメのモデルとなった都市が、ファンによる聖地巡礼で観光客が増えるケースが近年増えている中で、姉妹都市を結ぶことで話題作りをしているとは!

姉妹都市活用の可能性が広がりますね。

 

第2、第3のフルサトに…

 

姉妹都市、調べてみると奥が深い…!

自分の住んでいる町だけでなく、ふるさと納税などでほかの町とつながることもできるなど、調べていくといろいろな良さがあるのだなと思いました。

国内だけでなく海外との繋がりもできる姉妹都市、お住まいの町の姉妹都市をチェックしてみてはいかがでしょうか!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

Emi

北海道函館出身の86世代。自然の中で食・住・ナリワイを創る暮らし目指して、2015年9月26日から夫婦で東京から宮崎県小林市野尻町へ移住。広告営業、地域情報誌の記者編集、広報などを経て、現在は地域おこし協力隊&聞き書きライターとして活動中。 広報PRの仕事や聞き書き本の制作・ハーブを中心とした畑づくりをしながら、移動式古書カフェ・ゲストハウスオープンへ向けて準備中です。