移住して地域おこし協力隊として活動を始めて、半年が経ちました。
2ヶ月目のときに書いた、
【地域おこし協力隊の葛藤】就任して2ヶ月、私は何をしたのか?
半年経過した今、取り組んできたこと・感じていること、を振り返ってみたいと思います。
目次
聞き書きで歴史の”行間”を紡ぐ
~大きなムーブメントは起こせなくても、目の前の人が喜ぶことから始める~
繋ぎ屋でも何度か書いていますが、私が地域おこし協力隊になった理由でもある、「聞き書き」。
役場が発行している広報誌で、全8ページの中、見開き2Pを任せてもらい
【暮らしを聞く のじり聞き書き】
という特集を連載しています。
【レポーター第2弾】聞き書き取材で感じた、地域に眠る宝物に出会う喜び
今月号は「メロン物語完結編~メロン、そしてマンゴーへ」
1月号は柚子胡椒や漬物など、各家庭に伝わる冬の味を紹介する「我が家の冬の保存食大公開!」
2月~4月号まで3号連続で、フロンティア精神で開拓したメロン栽培の歴史に迫る「メロン物語」
5月号は、「薬草・ハーブ」を取材中・・・
6月号からは「畜産」!
・・・
一人に話を聞くとどんどん広がり、深まり、取材したい内容が増えていきます。
「聞き書き」の目的は、一人ひとりの日常と共にある、暮らしのこと、文化や風習、ナリワイ、地域の行事…そこにまつわる人々の想いや思い出を聞き、書き残していくこと。
町史や年表には載ってない”行間”を埋めるような感覚で、
でもそこに大切な宝物があることを、地域の人、そして外の人に、感じてもらえたらいいな、という思いでやっています。
聞き書きを始めて、いろんな方に出会い、さまざまなお話を聞かせてもらっています。
それが私はとても嬉しい。
大きなムーブメントを作れているわけじゃなく、地味な動きかもしれないけど、
「二人で何度も見たよ。こんな風にまとめてくれて本当に嬉しいよ、ありがとう」
「県外にいる息子にも送ったら、すごく喜んでいたよ」
「こんな背景があったのは知らなかった。まだまだ知らない町のことがあるんだなと思ったよ」
などと、聞き書きさせてもらった方や、地域の方が喜んでくれている声をきくことができたとき、
やってよかった
そう思えて、また頑張ろうと力が湧いてくる。
広報誌とケーブルテレビの「こばナビ」という番組で取り上げたあと、テーマごとに小冊子にもまとめて、映像化もしたい…
まずは今月中に「メロン物語」の冊子を完成させるところから!
外に出ることで還元できるものが増える
~土地に根付きながら風を取り入れ、循環し続ける~
東京での移住セミナーに登壇させてもらったり、
外部のメディアに取材してもらう機会が増えたり、
地域に根付く活動をすることで、外に出る機会も生まれていると感じています。
「まずは地域を知ることが第一優先」
こういわれて最初は、「外にでるな」と言われているようにも感じて(勝手に感じていただけですが)、正直息苦しさも感じていました。
でも、地域を知ること、私を知ってもらうことの重要さは、後々じわじわ効いてきます。
取材で町の中を周り、いろんな人に出会い、歴史や文化や産業について調べたり…
この半年で知れば知るほどこの町のことがHOMEのように感じていてきています。
そうしていたら、東京でPRする機会が巡ってきたり、研修で他の地域に出張したり、自然と外に出ていく機会が増えていました。
そこで外目線の意見や新しい情報を仕入れて、町に持ち帰って伝えると喜んでもらえる。
地域に根付きながら、外へも行き、出入りしながら風をおこし続けることが、地域おこし協力隊としての役割の一つでもあるんじゃないかなと思っています。
リポーター、広報誌、ブログ、印刷物…
~届けられる表現力を広げたい、デザインを学ぶ~
デザインなど表現すること・情報発信について隙間がまだまだあるなと日々感じています。
小林市の協力隊にデザイナーさんがいるのですが、野尻の細かな仕事まで力がくるわけでないので、広報誌の編集やイベントのポスターやチラシの作成など、デザインする場面が私にも多々めぐってきます。
こばナビの台本作成やリポーター、聞き書きもそうですが、言葉で表現する機会も今まで以上に恵まれています。
これはとっても嬉しいことなのですが、やればやるだけ、もっとこうしたい、もっとセンス良くデザインできないか、レイアウト見やすくしたい・・・
など、頭の中のこうしたいイメージを具現化できずに、むむー!となったり、
センスを磨きたいと強く思ったり、
東京と違ってデザインやクリエイティブ関連の勉強できる場所が少ないのが悩みですが…
鹿児島でデザイン制作会社を運営している方の講座を受講したり、宮崎市にあるスクールで、illustratorとPhotoshop講座に通い始めたり、いろんなデザインの事例を見たり…
絶賛勉強中です!
いかに余白を生み出すか
聞き書き、広報誌の作成、ケーブルテレビ番組の作成&リポーター、地域の会社の広報チームの運営と広報誌作成、イベント出店、チラシやポスター作り、WEBでの情報発信・・・
おかげさまで様々仕事をやらせてもらっています。
外に出ることも中で一人で作業する時間も必要で、てんやわんやの感じになることもあり、最近の課題はもっぱら
いかに余白を生み出すか
です。
会ってみたいと思いながらまだ会えていない方や、また話を聞きたいと思いながらなかなか行けていない方、
行ってみたいと思って行けてない場所があるなど、
まだまだ地域の知らないことがたくさんあるので、探しに行く時間をとりたい。
あと、周りからチラッともらったアイディアや、ふと何か思いついたときに、
その瞬間にパッと動くことがめちゃ大事だと思っていて。
(この記事もそこから生まれました→今話題のクリームズクリーム、製造元が小林市野尻町という衝撃!)
なので、そのためにも、物理的にも心的にも”余白”をいつも持っていることが大事だと日々感じています。
やりたいことをやっていたら、感謝することや感動することが自然と増えた
最近は、やりたいと思っていたことを、どんどん自分のペースでやらせてもらっているなと感じています。
受け身で目的なく、なんとなく参加したときの不完全燃焼な、もやっとする感じがすごくいやで、
やらされ仕事だったり受け身だったら、それでオモシロかったらいいけど、何か上手くいかないと、心のどっかで他の誰かのせいにして責めている自分がいました。
我慢して無理やりやらされることなんて本当はないのに。
勝手に私がそういう状況を作っているだけなのに。
これは、東京にいたころから何度も思っていたことだけど、忘れていると気づかされることが起こるんだなーと思いました。
暮らしと仕事の垣根が低い分、移住してからの方が葛藤することが増えたかもしれません。
やりたいことをやっていたら我儘になるんじゃないか?周りに迷惑なんじゃないか?
って思うこともあったけど、
自分でやると決めて、一人でもやると決めて、
やりたいからやる。
そうしていたら、思わぬところで助けてもらったり、手が回らないところをフォローしてくれたり、知りたいと思っていた情報を教えてくれたり、
最初はなかなか伝わらなかったのに、すごく理解をして他の人に説明してくれてたり、
立ち上げた地域の会社の広報チームのメンバーが、私が思っていた以上にめちゃくちゃ自主的に頑張ってくれたり、
・・・
自分がやりたいことを手助けしてもらえる、共感してもらえる
すごく有り難いな、嬉しいな、みんなすごいな、生かされているんだな、
そう思う機会が自然と増えてきました。
長くなりましたが、地域おこし協力隊になって半年、
こんなことをやりながら、感じながら過ごしています。
日々いろんな葛藤と戦いながらだけど、その都度、自分に問いながら、軽やかに歩んでいきたいものです!
合わせて読みたい!
日刊繋ぎ屋マガジン(平日毎日更新)
繋ぎ屋オススメ本のまとめ
Tsunagiya Library
北海道函館出身の86世代。自然の中で食・住・ナリワイを創る暮らし目指して、2015年9月26日から夫婦で東京から宮崎県小林市野尻町へ移住。広告営業、地域情報誌の記者編集、広報などを経て、現在は地域おこし協力隊&聞き書きライターとして活動中。
広報PRの仕事や聞き書き本の制作・ハーブを中心とした畑づくりをしながら、移動式古書カフェ・ゲストハウスオープンへ向けて準備中です。