地域おこし協力隊の初任者研修会、参加リポート

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千葉で開催された「地域おこし協力隊及び集落支援員の初任者研修会」に参加してきました。

【関連記事】地域おこし協力隊の初任者研修に参加してきました!

地域おこし協力隊と集落支援員に就任して約1年未満の隊員を対象に、

「協力隊とはなんなのか?」制度設立の目的や現状や心構えなどについて学んだり、ほかの地域の協力隊と交流する研修会です。

4月には滋賀県の会場でも同様の内容で行われましたが(こっちにいきたかったけど定員オーバーで落選)、 今回は千葉県の海浜幕張あたりにある「市町村アカデミー」という、市町村職員向けの中央研修所で開催されました。

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2泊3日、この施設に缶詰、と聞いたときは、え?と思いましたが、

広い敷地に講堂やいくつかの教室、食堂、売店があり、部屋は個室でベッド・テレビ・机・ユニットバスがついていてちょっとしたビジネスホテルのようで、中庭もあり、なかなかに快適に過ごせる施設でした。

 

それでは研修の様子と感想をリポートしたいと思います!

1日目。150人の自己紹介とCIVIC PRIDE

全国から150名の協力隊と集落支援員(ほとんどが協力隊)が集ました!

一人30秒の自己紹介を150人全体で行うという荒技からスタート。

下は21歳から上は(おそらく)60歳近くの方まで、年齢も性別もバックボーンも様々な人たちが集まりました。

小林市の協力隊は29歳の私たちが最年少で、30代後半〜40代の方々がメインなので協力隊ってそのくらいの年代の人が多いのかなーと感じていましたが、20代前半〜半ばくらいの人たちが結構いて若さ溢れる印象でした…!

そして、

「繋ぎ屋さん、ブログ読んでます!」

と声をかけてくれた方がいて、とっても嬉しかったー!!

 

初日は、講演×3本。

題目はこちら

①地域おこし協力隊等と地域力創造について

(総務省 地域力創造グループ 地域自立応援課長 黒瀬敏文さん)

②農山漁村の地域づくりと地域サポート人材に期待される役割

(法政大学 現代福祉学部 図司直哉教授)

③協力隊はどこから来て何者でありどこへ行くのか

(弘前大学 社会学 平井太郎教授)

 

内容はまた別記事で紹介したいと思いますが(機会があれば…)、ひとつだけ気になる言葉を紹介します!

CIVIC PRIDE(しびっくぷらいど)

・訪日外国人が日本に期待するものは、「景観」「食事」「文化体験」「ショッピング」

・都市空間はCIVIC PRIDEが「可視化」したもの。

そして、シビック・プライドとは、「市民が都市に対して持つ自負と愛着」

・そのためにはCIVIC PRIDE(VILLAGE PRIDE)の活性化を→「地方創生」は、市民が誇りを取り戻すためのプロセス

その上で協力隊(よそ者)の役割は、元々あった誇りや価値を思い出せるように、火付け役となること。

地域全体の気持ちを盛り上げること。

… うん、うん。 何もないから何か創るというのじゃなくて、地域にはすでにあるものがたくさんあるから、それを思い出してリメイクしたり形にしたり、していくだけなんだろうなぁと思いました。

 

夜は全体交流会! picture_pc_e5e3fec3716df34e64a732a859c56b5a

2日目。グループワークと先輩隊員の事例発表

朝、少し早起きして施設周りをおさんぽ。静かで気持ちよかった!

#市町村アカデミー #sky #beautiful #japan #幕張

@shintahosokawaが投稿した写真 –

ちなみに食堂は朝ごはんはバイキング(550円)、昼と夜は定食が2〜3種類(600〜1000円くらい)。

こちらが朝食の様子。

食堂は、学食みたいな味と雰囲気でした…!

食事

2日目は、あらかじめ振り分けられた班に分かれて、グループワークからスタート。

まずは「地域づくりクロスロード」というワークで、お題を元にグループごとにそれぞれの考えを共有し合い、グループで「おすすめの意見」「一理ある意見」の2つにまとめるというもの。

お題は3つ。

  • 仕事は「何をしてもいい」と言われた。が、どこから手をつけてよいかわからない。ここからどう地域をおこしていく?
  • 役所からのミッションがちがち、毎日市役所内勤務。地域の人たちとの関係がもてない。そんな状態からどう地域をおこしていく?
  • ところで、地域おこしって何?

ちなみに、クロスロードとは、阪神・淡路大震災での災害救助に関する実務経験から学べる知恵をまとめ、ほかの現場でも学べるよう京都大学防災研修所で開発されたものだそうです。

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地域おこしって何なのか?

この問いは特に、考えてディスカッションするの面白かった!

※感じたことをこちらの記事に書きました→地域おこしとは何なのか?

 

午後からは、先輩協力隊の活動事例発表を聞きました!

発表してくれたのは、現:茨城県稲敷市地域おこし協力隊(移住・定住コンシェルジュ)&元:島根県美郷町地域おこし協力隊の岡田さん(25歳・女性)。

新卒で協力隊になり、2年間島根で活動し、退任後、実家のある茨城で新たな協力隊活動をスタートさせたお話を聞かせていただきました。

興味深かったのは、地域おこし協力隊のタイプ分けの話。

「充実度が高い地域おこし協力隊の3タイプ」

①底上げ定着型

地域住民のニーズを重視 住民との強い信頼関係 任期終了後は定住

②なりわい創造型

個人の能力を最大限発揮 地域資源を活かし起業 任期終了後は定住

③底上げ流動型

地域おこしの仕組みづくりを重視 住民との強い信頼関係 任期終了後は他地域に移住

岡田さんは、底上げ流動型を最初から決めていて、島根での経験や実績を他地域でも活かしつつ新たな経験を積んでいくため、規模や段階の異なる他地域へ任期終了後移住し、新たなフィールドで地域活性化へ向けて活動を始めています。

やっぱり実際の事例、生の声を聞けるのはとても勉強になってよかったです!

でもできれば、1つの事例ではなく、ケースの異なるいくつかの任期終了した先輩方の話が聞ければもっとよかったなーと思いました!!

3日目。地域づくりコーディネートゲームとラップで発表

2日目の夕方から3日にかけて行ったワークは、地域づくりコーディネートゲーム。

このワークが今回の研修のメインとのことで、2日目は教室が使えるぎりぎりの23時までチームで話し合いと発表準備を行いました・・・!

地域づくりコーディネートゲームとは?

地域づくりに必要なコーディネートをゲーム感覚で模擬的に体験するプログラム。

集落カード(集落の地理的条件を規定)・課題カード(集落から挙げられている課題)・資源カード(集落が自認している資源)・内部人材カード(集落にいる特徴的な人材)・地域の声カード(地域住民から上がっている活動イメージ)・外部人材カード(活動の中で関わる外部人材)

これらのカードから、仮想の集落を作り、そこから想像力を膨らませて仮想集落を具体化していき、想定される課題なども導きだします。

それを元に、着任する協力隊のキャラクター等も設定し、3年間の取り組み(コーディネートをイメージ)とそれによって地域がどう変化していくかを考えていきます。

一連の取り組みにキャッチフレーズをつけて、最終日に各チーム10分程度で発表する。

という流れでした。

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私たちのグループの仮想集落は、 10世帯・30人の離島。

グループの中にこの仮想集落と似たような地域で活動している人は誰もいなく・・・

集落の状況を設定したり(あーだこーだ言いながらイメージしていくのは楽しい作業だった!)、課題を考えたり、想定の上で3年間の取り組みを考えていくのは、(そして発表準備も)なかなかに時間がかかりました。

客観的に協力隊の活動、地域との関わり等を考えていくこと、それを様々な人が集まるチームで話し合っていくことは、普段やる機会がないことだったので、経験できてよかったなと思いました!

発表した内容

発表した内容

 

ですが、次にやるなら、実際に自分がいる地域の規模感や状況(限界集落と小林市の野尻地区:2000世帯8000人、では課題になることや地域の状況が全然違う・・・)に近い設定で、やってみたいと思いました。

チーム編成も似たような地域の規模の人たちで構成してやったら、客観的に自分の活動や地域を考えることもでき、実際の活動にもより活かすことができるんじゃないかな?と思いました。

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3日目の発表会は、各班内容も発表の仕方も様々で、面白かった!

上の写真はシンタのチーム。

プレゼン形式から寸劇仕立てなど、いろいろあって見ていて飽きることありませんでした!

伝え方も大事なんだな〜と思いながら、

私たちのグループは、キャッチフレーズが「汗と情熱はスキルと情熱を乗り越える」

ということを限られた時間で伝えるため、ナレーションとオリジナルラップと歌で発表しました!!

チームメンバーに、シンガーソングライターがいて、その人を中心に歌詞を考え練習して歌いました。

途中ギクシャクしたときもありましたが、最後はみんなで歌って楽しく発表ができてよかった!

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そんなこんなで、2泊3日の研修が終わりました!

研修全体を通して伝えようとしていることが、画一的な感じしたことには違和感も抱きましたが、それも含めていろいろ考える機会をもらい、他地域の協力隊とも交流でき、参加してよかったと思いました。

タイミングとしては、7ヶ月経った今というより、着任してすぐ、もしくは地域おこし協力隊の着任前にこの研修を受けられたらよかったなぁと思いつつ…

ここで感じたことを持ちつつ、日々何をするか?どう在るか?を問いながら、行動していきたいと思います!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

Emi

北海道函館出身の86世代。自然の中で食・住・ナリワイを創る暮らし目指して、2015年9月26日から夫婦で東京から宮崎県小林市野尻町へ移住。広告営業、地域情報誌の記者編集、広報などを経て、現在は地域おこし協力隊&聞き書きライターとして活動中。 広報PRの仕事や聞き書き本の制作・ハーブを中心とした畑づくりをしながら、移動式古書カフェ・ゲストハウスオープンへ向けて準備中です。