【牛削蹄師という仕事】命を支える現場で働く誇り~古今東西ナリワイ紹介~

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先日取材で行った小林野尻畜産共進会

そこで【牛削蹄師】をナリワイにしている方に出会いました。

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牛削蹄師って、どんな仕事なんだろう??

とても興味が湧き、翌日、牧場におじゃましていろいろとお話聞いてきました!

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どどん!

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牛削蹄師の原田さん。

とっても貫禄がありますが、笑顔でとっても優しく接してくれる方です!(御年30歳!)

 

原田さんのご両親も畜産業をナリワイとしていて、子どものころから牛と共に働くお父さんの背中を見て育ち、

ものごごろついたときには「将来は牛養いになる」と自然と決めていたとのこと。

「牛が好きだから」

そう話す原田さんからは溢れるばかりの愛情が伝わってきました。

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迷いなく農業高校に行き、卒業後は農業大学に進学するつもりでいた高校生のとき、

実家の牛の削蹄に来ていた削蹄師さんに

「削蹄師にならないか?」と勧められ、

「面白そうだ」と思い、両親や親戚の反対を押し切り、自分の決めた道を貫き高校卒業後すぐに牛削蹄師の道へ進みました。

 

牛削蹄師とは??

牛は一般に運動量が少なく、蹄(ひづめ)が伸びすぎるので、定期的に伸びた蹄を切り、その形を整える必要があります。その牛の蹄を切るのが牛削蹄師です。

出展:公益社団法人 日本装削蹄協会

 

「蹄は足を支える土台となる部分、伸びすぎていると立っていられなくなって、座ってばかりになる。そうすると体重も増え、牛の健康に良くない」

牛削蹄師の仕事は、畜産の現場には欠かせない存在なのです。

削蹄で使う道具

削蹄で使う道具

削蹄で使う道具を見せてもらいました。

一つひとつがとっても重い…!

800キロ近い牛を抑えながらコミュニケーションをとりながら、削蹄を行うので、体力と気持ちと両方が同時に必要になる仕事なんだなと思いました。

削蹄で使う道具

削蹄で使う道具

 

高校を卒業して、実家の牧場を手伝いながら、削蹄師の師匠に弟子入りし、最初のころは月収5万円…

遊びたい盛りの年代で、お金は少なく朝から晩まで働く仕事。

嫌にならなかったのですか?と聞くと、

「大変な仕事ではあるけど、牛が好きだし、良い削蹄師に絶対なると決めていた。農家さんをまわって高齢の農家さんとかいろんな人と会って話すことも好きだったから、辞めたいと思ったことはない。

牛のおかげで出会える人が増えて、たくさんの人と知り合いになれたことが嬉しい。」

 

どっしりと地に足をつけ、一つ一つ技術を磨き積み重ねてきた経験と実績があり、自分の仕事に誇りをもって働いていることが、ひしひしと伝わってきました。

「人間は牛や豚、魚や野菜から命をいただいて生かされている。食べることは人間が生きる上でとって欠かせないことだから、その部分を担えていることは誇りと自信をもっている」

そう語る原田さんの姿は、とてもかっこよく、頼もしかったです。

 

牛削蹄師の仕事をしながら、牛養いとして牧場では自分の牛も育てている原田さん。

今では、削蹄の仕事だけで家族を十分養えるほどの収入にまでなっているそうです!

そんな中、20歳の削蹄師を目指す弟子をとることになり、奥さんを説得し、住み込みでお弟子さんを受け入れて育成も行っています。

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お弟子さんと

 

原田さんの直近の目標は「日本一になること」

毎年各地の予選を勝ち抜いた削蹄師が集い、全国牛削蹄競技大会が開催されます。

おととしは厳しい地区予選を勝ち抜き、全国大会に出場しました。

お弟子さんを育てながら、太陽のような大きな明るい笑顔と確かな技術と経験で、全国大会出場、そして日本一を目指して歩み続けています。

 

◆◇◆◇◆

 

牛削蹄師になるには、牛削蹄師の認定資格(2級→1級・指導)を取得するとなることができます。

認定資格があれば削蹄を行うことはできますが、一流の削蹄師になるためには、実践を積み肌感覚で腕を磨き続けることが大事とのこと。

 

仕事のこと、家族のこと、お弟子さんのこと…

原田さんから様々なお話を聞かせていただきました。

牛削蹄師という仕事を初めて知りました。

原田さんへのインタビュー内容は、ココロココで掲載予定です!

今回掲載したのは極々一部なので、こうご期待ください!

 

【古今東西ナリワイを知る】シリーズ化していきます

繋ぎ屋ではおなじみ、『ナリワイをつくる』にも書いてあるように、戦前は日本には約35000種の仕事があったそうです。

それが現在は2167種類。

【古くて新しい働き方ナリワイ】日本には戦前3万以上の仕事があった

効率化やインターネットなどの普及で必要なくなった仕事も多々あると思いますが、今の時代でも少し目先を変えたり、組み合わせて掛け算することで、蘇るナリワイがあるのではないかな?と思っています。

特に、田舎は都会と比べて一人の人が様々なナリワイをもっているし、必要とされるナリワイは都会よりも多いのではないかな?昔あったナリワイをリメイクしたり蘇らせたりしたら、新たなナリワイが生まれるかもしれない。

そんなことから、移住して出会った様々なナリワイを、現在もやっているやっていない関係なく、紹介していきたいと思います!

次は、【家畜商】【家守】あたりを紹介します!!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

Emi

北海道函館出身の86世代。自然の中で食・住・ナリワイを創る暮らし目指して、2015年9月26日から夫婦で東京から宮崎県小林市野尻町へ移住。広告営業、地域情報誌の記者編集、広報などを経て、現在は地域おこし協力隊&聞き書きライターとして活動中。 広報PRの仕事や聞き書き本の制作・ハーブを中心とした畑づくりをしながら、移動式古書カフェ・ゲストハウスオープンへ向けて準備中です。