80歳の現役鍛冶職人、白坂鍛冶屋さん【今週の田舎人】

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note【ほぼ日刊繋ぎ屋マガジン】で不定期連載中の、移住して出会った素敵な人を紹介する企画【今週の田舎人】。

より多くの方に読んでほしいなと思い、今回はブログ繋ぎ屋で全文公開します!

 

先日、今年の夏で3年間の任期を終える、小林市地域おこし協力隊の先輩隊員を取材させていただきました。

お世話になった地域の方々を訪れながら3年間を振り返る、という企画だったのですが、

地域の方々と先輩隊員の深い繋がりを感じて、会話の一言一言が胸に響きました。

訪問した中の一人、小林市で唯一の鍛冶屋、白坂伊佐男さん。

現在80歳、今尚現役!

地域では知らない人はいない有名人で、メディアにもたくさん取材されている方なのですが、

改めて繋ぎ屋でも紹介したいと思います!

白坂さん3-1

 

なんでもつくる、「町の鍛冶屋さん」

昭和35年、宮崎県小林市野尻町で白坂さんは鍛冶職人として独立しました。

出身はお隣の国富町。

中学を卒業して鍛冶職人に弟子入りしました。

「学校では勉強せんでね、仕事を始めてから字を覚えたね」

仕事をしながら独学で文字を勉強する努力家。今では趣味で短歌や詩など素敵な文章を書いています。

 

「うちは専門の鍛冶屋じゃないから、なんでもつくるよ。町の鍛冶屋だからね」

○○の専門、日本でここでしか作れない商品、というように専門の鍛冶屋もあります。

白坂さんは、「町の鍛冶屋」にこだわり、農具や日用品などお客さんのどんな要望にも答えてきました。

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作業途中の農具。

刃のとがり具合を調整してほしいとお客さんから依頼がありました。

使い勝手は人それぞれ。作ることはもちろん、使っていくうちに出てきた不具合を直したり、長持ちするように手入れをしたり、地域の人の暮らしを支えているのです。

 

 

「話すのも大事な仕事」昔の暮らしや仕事を伝えていく

包丁や農機具のカスタマイズからメンテナンスまで、一人一人に細やかに対応し、昔ながらの伝統的な製法で丁寧に作る仕事のファンは多く、

市外、県外から多くのお客さんが白坂さんを訪ねてくるそうです。

技術はもちろん、「話すことも大事な仕事だから」と丁寧に説明してくれる白坂さんの話を聞きたいというファンも多い。

様々なメディアで取材もされ、日々忙しい中、いつも優しく丁寧に向き合ってくれて、仕事を心から愛し楽しみ力を注ぐ白坂さんの姿に「白坂さんに会いたい」と毎日絶え間なくお客さんが訪れています。

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取材の日も道具のことや子ども時代のことなど、いろいろなお話をしてくれました(写真↑は白坂さんのお話に聞き入る先輩隊員)。

 

農具など仕事や生活に欠かせない道具をたくさん作ってきた白坂さん。

機械が発達して、今は使わなくなった道具など、白坂さんの工場で初めてみるものもたくさんあります。

うなぎをとる槍も初めてみました!

 

職人人生42年の集大成の年、地域の文化祭で昔の農具280点を再現して展示会を行いました。

奥様と二人で、5年間かけて、

木材の搬送に使う「返し万力」や炭焼き職人らが愛用した「土佐柄がま」

自転車の工具で内装業者も重宝する「ハブちょう取り」

田植え後に田をすく農具「がんづめ」

などを作り、

農具や山仕事の道具の種類、製作工程、ふいごの構造、唱歌「村の鍛冶屋」の意味などを記した手書きの資料を添え展示しました。

 

鍛冶職人としての歴史を残すだけでなく、農具から昔の暮らしを残し伝えるとても貴重な活動だと感じました。

 

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当時の新聞記事

 

 

儲かることよりお客さんに喜んでもらって、自分自身が楽しく仕事をする

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白坂さんに初めてお会いしたとき、温かく優しい笑顔で招き入れてくれて、いろんなお話をしてくれました。

見せていただいた自作の詩の中にあった、奥様への想い、愛が溢れている作品たち。

愛する人のことを愛していると堂々と言う人は、日本人の男性(特に年配の方)は少ないですが、誇らしく大切に奥様のことを語る姿が印象的でした。

 

昨年、火事で奥様を亡くされ、工場も全焼し、これまで作ってきた作品も道具も全てを失いました。

 

二人三脚でやってきた奥様を亡くされて、

一人でもできるのか?もう年だから引退するのか?

悲しみ、葛藤、いろんな想いがあった中、

町に唯一の鍛冶屋として再び立ち上がりました。

 

昨年の秋には、野尻で開催された「まち歩きイベント」で、白坂鍛冶屋さんの見学ツアーを行い多くの方が足を止め、白坂さんのお話に聞き入っていました。

白坂さん説明

年配の方には懐かしい、若い世代には新鮮な、数々の実物の道具と、

白坂さんの軽快なお話に、参加者の方々は足を止め、なかなか進まずゴールが遅れるほど大盛況でした。

 

包丁ができあがるまでの工程

包丁ができあがるまでの工程

 

 

96歳の現役鍛冶職人に刺激を受ける。「まだまだこれから」

80歳でお元気で仕事を続ける白坂さん、すごいですね!と話していたら、

「隣町に96歳で現役の鍛冶職人がいて、こないだ会ってきた。

16個も上だから、まだまだそこまで頑張らんとね〜!」

96歳で現役とは・・・!

80歳でもまだまだ上がいる、これからだ!と思えること、生涯続けたいと嬉しそうに話せる仕事があること、

とても素敵だなぁと思いました。

白坂さん8

 

白坂さんの作る包丁や農具は、小林市内の「道の駅ゆ〜ぱるのじり」「のじりこぴあ」で常時販売しています。

また、白坂鍛冶屋の工場でも直接買うことができます。

白坂さん曰く、工場に直接来てくれた方が説明もできていいとのことです!

お人柄が滲み出る優しいお顔、豊富な知識と経験から話される楽しいお話、

一度会ったらまた会いたい!と思う、とってもとっても素敵な方です!

白坂鍛冶屋:宮崎県小林市野尻町 東麓1321−1 TEL: 0984-44-0536

白坂さん

 

 

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Emi
北海道函館出身の86世代。自然の中で食・住・ナリワイを創る暮らし目指して、2015年9月26日から夫婦で東京から宮崎県小林市野尻町へ移住。広告営業、地域情報誌の記者編集、広報などを経て、現在は地域おこし協力隊&聞き書きライターとして活動中。
広報PRの仕事や聞き書き本の制作・ハーブを中心とした畑づくりをしながら、移動式古書カフェ・ゲストハウスオープンへ向けて準備中です。
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Emi

北海道函館出身の86世代。自然の中で食・住・ナリワイを創る暮らし目指して、2015年9月26日から夫婦で東京から宮崎県小林市野尻町へ移住。広告営業、地域情報誌の記者編集、広報などを経て、現在は地域おこし協力隊&聞き書きライターとして活動中。 広報PRの仕事や聞き書き本の制作・ハーブを中心とした畑づくりをしながら、移動式古書カフェ・ゲストハウスオープンへ向けて準備中です。